2017年 06月 14日
悪いのは国民である |
政治でも環境保全でも何でもよい.「理論的にまあ正しいだろう」と思われる事でも新聞やニュースが取り上げてくれず,また一般市民の理解も得られず,歯ぎしりする学者や知識人は少なくない.
自分も含めて彼らが陥りやすいのは「自分の意見が取り入れられないのは,国民が悪いからだ」と相手のせいにしてしまうことである.6月11日付朝日新聞の内田樹氏のコメントがまさにそれである.
左派論客の内田氏なので,昨今の「共謀罪」に対しどのような見解をお持ちであるか,そんなもんは一目瞭然だ.こういう方からすれば,なぜ安倍内閣が未だ支持率を落とさないか不思議でたまらないのだ.だからだろう,内田氏は新聞記事の中で「有権者の半数ほどは現政権を支持している.多くの日本国民には主権者としての意識がない」と述べている.
ようするに内田氏の言い分を極端にデフォルメすると,安倍内閣が倒れないのは国民がバカだから,自分たちの見解に同意しない国民が悪い,と言いたいわけだ.もしかしたら自分の思考の方が間違っているのではないか,安倍政権の施策は大凡正しいのではないか,などとは内田氏は露ほども考えていないと思われる.間違っているのは安倍内閣支持者の方で自分たちではない・・・・.こう信じて疑わないわけだ.
「コイの放流を良き事ととらえ,毎年のように美談として報道する阿呆なニュース番組が悪い」
「ネコやヌートリアなど,ぷりちぃな外来種の場合だけ駆除に反対する論理破たんの動物愛護者が悪い」
当方としても,結局は内田氏と同様の上記の発想をしがちなわけだが,今一度「なぜ自分らの側の意見が世間様に受け入れられないか」を考え直す必要があるだろう.人の振り見て我が振り直せ,だな.
by nanamisuzuka
| 2017-06-14 19:23
| 時事ネタ