2016年 09月 07日
憲法9条論争のようだ |
自分の政治的立ち位置は,左派とは対極にあるが,それでも自衛隊は憲法違反の疑義があると考えている.憲法に「戦力を保持しない」と明記してあるのだから.法律家は「憲法は自衛権までは否定していない」と言う.たしかに該当する学界の中では正しい理屈のだろうが,素人からすれば言葉遊びにしか見えん.一般人感覚からすれば自衛隊は明らかに「戦力」だ.憲法を改正して,自衛隊をはっきりと位置付ければよいのである.
さて,昨今の貧困女子高生騒動も似たような様相を見せている.反貧困を訴えるNPOなどは「貧困には絶対的貧困と相対的貧困がある.今回バッシングされている女子高生は確かに衣食住には困っていないし,そこそこ遊びにカネをかけているけど,希望の進路を選べないという点で相対的貧困者だ.だから彼女を叩くのはおかしい」と主張している.
自分も今回の女子高生を叩く風潮にはうんざりしているが,「相対的貧困」との言葉を駆使する擁護側にも好意を持てない.素人からすれば,憲法9条論争に見られる「専門家の言葉遊び」にしか見えないからだ.フツーの日本人であれば,「貧困」と聞かされれば文字通り貧しい状態をイメージする.コンサートに出かけ,少なからぬキャラクターグッズを持つ人間を「貧困」と言われてもねえ.
「相対的」との単語は,なし崩し的に対象を広げてしまうかも.屁理屈であるが,世の中のほぼ全ての人間はビルゲイツと比べれば「相対的」貧困状態だぞ.となると,「衣食住に困る=貧困」と定義すれば,シンプルではある.
だから,衣食住には困っていないが,親の財政力により進路の選択肢が限られてしまう人に対し,「進路選択不自由者」(?)とか「貧困」とは異なる別用語を作ればよいのである.NHKがもう少し使用する言葉に配慮すれば,今回の顔を出した勇気ある女子高生に攻撃の矛先が向けられることはなかったはずだ.
by nanamisuzuka
| 2016-09-07 19:17
| 時事ネタ