2016年 05月 31日
シルビアシジミ大阪空港近くで大発生す |
5月29日付朝日新聞より.
絶滅危惧種であるはずのシルビアシジミが一部都市環境に適応し,場所によっては大量に発生している.大阪空港近くの公園はその一つである.
どうやら外来種シロツメクサを食草として個体群を維持しているらしい.大阪府立大学の石井実教授曰く「希少種の復活=本来の自然の回復ではない」とのこと.もっともである.
しかし,疑問に思ったのがシロツメクサとの関係だ.手持ちの図鑑「フィールドガイド 日本のチョウ」(誠文堂新光社)によれば,シルビアシジミの食草としてシロツメクサが明記されている.つまり,大阪空港近くのシルビアシジミ個体群が寄主植物をシロツメクサへの転換に成功した,と言うわけではないようだ.
シロツメクサなんぞどこででも大群落を構成しているわけだが,それでもシルビアシジミがありとあらゆる地域で復活しているわけではない.大阪空港では復活して,越前の日野川沿いでは復活しない,その理由はなんだろ?
朝日新聞記者に,そういう点を疑問に思って石井先生に取材しろ,と期待するのは酷であろうか.
by nanamisuzuka
| 2016-05-31 18:10
| 環境保全関係