2015年 08月 01日
ヒグラシの夕暮れ |
福井市某所にて.毎年この時期になると,わざわざ車に乗ってヒグラシの声を聞きに行く.ひと夏に3~4回はこの場所を訪れている.理由はたそがれたいがためだけである.福井は地方都市とはいえ,さすがに町中でヒグラシは生息していない.そこで郊外に出るわけだ.
ヒグラシもちろんそうだが,自分はセミを殺さないようにしている.一方,これまでに殺した土壌性甲虫の数は見当もつかんが,10万以上に達しているだろう.
セミを標本にしないことに明確な論理はない.とにかく殺したくないのである.あと,ウスバキトンボも絶対に標本にすることはない.
齢40を超えるとたそがれたくもなる.ヒグラシの声を聞きながら思い出すのは母の田舎の亡き祖父と祖母で,残念ながら亡き父ではない.自分は幼少時,普段はニュータウンで暮らしていたがゆえに,父の思い出とヒグラシが結びつくことはない.
そんなこんなでヒグラシの声を聞きつつ「あ~昔は良かった」と後ろ向きな思考に浸るわけだが,感慨をぶち壊してくれる構造物がある.それは,イノシシよけの電気柵である.昔の田舎にはこんなもんなかった.20数年前はトンボを探すため,四国松山周辺の農村のため池を随分と荒らし回った(?)が,その頃は電気柵なんぞなかったがな.
昨今のイノシシ被害の深刻さがうかがえる.
by nanamisuzuka
| 2015-08-01 11:32
| 動物の分類や分布・飼育など