2015年 01月 18日
Zoological Record |
たしか小保方騒動の時の話だ.世界的ニュースになった論文を掲載している雑誌の出版元は,ユーザーの足元を見て,急に購読費を釣り上げるとの報道があった.それに対し,学術雑誌の値段が高くなりすぎては図書費では購入できなくなり,したがって今後の研究活動に支障が出ると,日本の物理学者グループが問題提起していた.
世界的ニュースうんぬんとは関係ないが,Zoological Record も同様のことがおきている.Zoological Record とは何ぞや?との説明は省かせていただく.まあ,分類学の研究には必須,ないしはつい近年まで必須だった,最重要海外発行文献の一つとだけ申し上げておこう.
大学公費での購入という事情(つまり納入業者のマージンが上乗せされている)もあるが,先日届いた今年度の Zoological Record (昆虫綱甲虫目のパートのみ)は 14 万3千円なり.5,6年ほど前は6~8万円だったと記憶するから,昨今の円安の影響を割り引いたとしても,そのインフレぶりは半端ではない.
2014 年度は何とか買えたものの,こうまで値段が高騰しては来年度以降いつまで定期購読できるか甚だ不安だ.もはや個人の研究費で買うには限界を超えている.
九大や東大のように主要学術雑誌が集まる環境ならいざ知らず,当方のような地方大学だと Zoological Record なしでは分類の論文が書けぬ.そろそろ,分類屋を引退することを真面目に考えねばなるまい.
by nanamisuzuka
| 2015-01-18 09:50
| 動物の分類や分布・飼育など