10月16日付朝日新聞天声人語.文芸春秋社の社長の「図書館は文庫本の貸し出しを辞めてほしい」とのコメントが掲載された.ようするに,出版不況なので,無料貸し出しされると出版社がやっていけないと言うことだ.
「大図鑑や文献目録など,公立図書館ぐらいしか買ってくれないような専門書籍は図書館に購入してもらわないと困る.でも,文庫本は読者が自分のカネで買え」との出版業界の言いぐさはあまりにご都合主義との批判は可能なところではある.また,図書館が文庫本含め,あらゆる図書を老若男女に無料で貸し出すことによって,国民の間に本好きが増える.これは出版社にとって悪い事ではないはずだ・・・・.こういう反論も可能だ.
「図書館が貸し出さなくなくなったから,しゃーない,文庫本は自分のカネで買うか」との読者は何割いるだろうか?全く見当つかんな.
とは言え,出版社が潰れてしまうと,儲けが期待できない専門書が世に出なくなるわけで,それはそれで日本の学問にとって大きな損失である.
どう折り合いを付ければよいのやら.